Rayのドイツ音楽留学レポート【第11回】ドイツの音大の授業その2

2021年1月23日

こんにちは、Rayです。私はドイツで音楽の勉強をしている大学院生で、オーボエという楽器を専攻しています。今年もよろしくお願いいたします。

前回の記事「ドイツの年末年始」について読んでくださった方から一つ情報を頂いたので皆さまにもお伝えします。ドイツでは、大掃除は春にするそうです。暖かくなって窓も開けられる季節の大掃除は理にかなっていますね! ドイツ人の多くがする庭仕事も春から始まるので、することが多くてきっと大忙しです…! さらにイースターもあります!

さて、今回は【第9回】ドイツの音大の授業その①の続きとして、ドイツの大学院のオーケストラ科に在籍する私の必修授業のうち、楽器を使ったレッスン以外をご紹介します。

集中力のテクニック

大学の廊下

演奏の時の身体の使い方を研究している先生の授業で、パフォーマンスをするときの身体と心の状態を論理的、科学的に考察する授業です。アレキサンダーテクニークと少し似ているかもしれません。

本来なら集中講義の形で実践するはずでしたが、今期は毎週メールで来る課題を学期末にレポートとして提出する、という形で進んでいます。身近な話題ですが、外国人である私にとっては課題を解読すること、自分の心身の機微をドイツ語で書くことが結構大変です。

「どんな事が演奏や練習の妨げとなるか。また、緊張をほぐすために何を意識するか。睡眠の質と集中力は関連しているか、どのように改善できるか。」のようなことは余分な力や余念を抜いて演奏するために今までも何となく考えていましたが、この授業をきっかけにさらに深く考えてみるようになりました。

日本で在籍していた大学では特別講座を除いて、このような音楽家のメンタル面を考える授業がなかったので、ドイツで「こんなのも必修科目にあるのか」と驚いた科目の一つです。

選択授業

実技と講義がセットになっている一年間の授業で、古楽、現代音楽、室内楽、ジャズ、教育学、指揮、音楽学などから希望の科目を選びます。私はジャズを選択しました。学校にはジャズ科・ポップス科もありますが、選択授業でのジャズはクラシック音楽の専門課程にいる人が対象です。

15人くらいのクラスでジャズの歴史、コードネーム、アドリブなどを一から勉強しています。ドイツでも、ジャズの専門用語は日本と同じように英語が使われていて、それがドイツ語で解説されます。なので英語とドイツ語の両方を聞き取って理解しなくてはならないため、頭の切り替えが多くとても疲れます。

ただ、この授業の担当がとてもいい指導をする先生で、ジャズへの興味が一層深まっています。

今期は、事前に与えられたベースとコードによるカラオケ音源を流しながらアドリブ課題を各自録音して、毎週のzoomセッションで先生のアドバイスを受ける、という形で授業が進んでいます。人と一緒に演奏する機会が無くて残念ですが、カラオケと一緒に演奏するのも面白くて、オンライン授業でも積極的に参加できるいい仕組みだなと思います。

一年間の総まとめとして次の6月末にクラス全員で演奏会をするので、それまでにコロナ禍での演奏会中止の流れが収まっているといいな、と願っています。

アナリーゼ

楽曲分析の授業で、何種類かのクラスが開講されています。例えば私が履修した「ベートーヴェンの室内楽曲」、「ロマン派時代の室内楽曲」の2つの授業では、楽譜を読んで和声、曲の構造などから曲を分析したり、音源をいくつか聴き比べて演奏者の音楽解釈の違いを見つけたりして、受講生同士で意見を述べ合うというものでした。楽譜にある情報を詳しく拾う練習をして演奏に生かす、というのがこの授業の狙いです。

昔読んでいた「のだめカンタービレ」の物語中で、主人公のだめが留学先のパリでアナリーゼの授業を受ける様子がありましたが、まさにそんな感じでした。小人数でグループワークしたときに受講生がはっきりと自分の意見を述べていたので、私も小さなことでも何か言えるように、と頑張って授業に参加しました。

論文の書き方

ドイツ語で書く論文にとても手間取っています。半年間論文の書き方の授業を履修して基本的な書き方を学び、卒業までに小さい論文と修士論文の2つを書くのですが、これまで一度も書いたことのない論文を仕上げられるのか、甚だ疑問に思います。

日本語で書かれた本を参考文献に挙げることはできないので、基本的なデータをドイツ語または英語で集めることだけでも一苦労です。しかしテーマ設定、パラグラフライティングなどの論文の書き方そのものは日本でのやり方と同じなので、何とかなることを願って進めています。

その他

特別講座など

学校の掲示板、大学メールボックスで特別講座の案内を見かけます。コロナ禍で中止されるまでは大ホールでの講演会形式のものやアレキサンダーテクニークの様なものまで、割と頻繁に開催されていました。「ドイツ語分からなくて理解できないかも…」と弱気になることもありますが、都合が合えば参加するようにしています。(そして本当に理解できなくて落ち込むことも多々あります。)

また昨年度秋には学校の大ホールで「ベートーヴェン週間」として数日間、学生や教授による演奏会があり、大学生だけでなく一般のお客さんも大勢集まり賑やかでした。

ドイツ語

私の在籍する音大には「ドイツ語が母国語ではない場合、入学後1年以内にドイツ語試験B2(中級レベル)に合格すること」というルールがあります。そのため、最初の半年間大学主催のドイツ語クラスに通いました。

平日朝8時に始まるクラスに出席するため、その間は半年間ずっと6時起きでした。冬のドイツの日の出はとても遅く、6時に真っ暗な中起きるのは本当につらかったです。家を出て学校に着いたところでようやく空が白んでいく、という生活を頑張ったので、もしかしたら日本の大学での朝1限9時も、今なら楽に思えるかもしれません。

そしてドイツ語クラスの最終日に行われた試験でB2に合格したので、晴れて義務としてのドイツ語学習と6時起きから解放されました。しかしドイツで生活するためにはもっとドイツ語が分かっていたほうがいいので、今は自分でニュースを聞いて勉強したり友達と話したりしています。

タンデム

タンデムという語学学習の方法がドイツでは盛んに行われています。「ドイツ語を勉強したい」日本人の私が「日本語を勉強したい」ドイツ人とペアになってお互いにしゃべるというのがその仕組みです。他の言語でも同様です。

市内にある総合大学でタンデムパートナーを見つけるパーティがあり、ドイツ人、各国からの留学生合わせて70人以上が集まっていました。ほとんどの人がタンデムパートナー・またはグループを見つけられたと思います。私もそのパーティで、留学中の日本人と日本語を勉強しているドイツ人と知り合いました。

また、友人伝いでタンデムパートナーを探している話を聞くこともありますし、割と気軽に始められそうです。中にはスカイプでほかの街に住む人とタンデムしている友人もいます。

私も数人とタンデムをしていますが、相手も外国語を話す大変さを知っていて根気強く聞いてくれるので、変に緊張せずに話すことができます。お互いWin Winのこの制度はすごくいいなと思います。

クラブ活動

市内の総合大学と音大が連携しているので、総合大学にあるクラブ活動に参加することもできます。サイトにはヨガやテニスなどの一般的なものから気功という太極拳と似ているもの、乗馬、スキー、ボートなどびっくりするものまで50種類くらい載っていて、楽しそうです。夏になったら何か外で活動するものをやってみようかなあと思っているところです。

カルチャーカフェ

大学のホール前の空間がダンス会場になります

日本の文化祭のような大掛かりなイベントはドイツの音大にはありませんが、新型コロナウイルスの流行前まで、毎月1度、学生団体主催のパーティが食堂と大広間で開かれていました。そこでは有志の学生による演奏を楽しんだり、ビールやスナックを片手に普段は接点のない他の専攻の学生とも知り合ったり(ドイツ語を話すいい機会でもありました!)できました。酔いもまわった頃、大広間に巨大スピーカーとネオンライトが現われてクラブ会場のようになります。0時過ぎまでたくさんの学生が踊りまくる…ああ懐かしい…!笑

まとめ

大学の近所のスタイリッシュな教会

ドイツの大学院で履修する授業と、その他の活動について書きました。私にとって講義系授業でのドイツ語の壁はまだ高く、授業についていくことだけでも大変です。しかしドイツ語の勉強にも火が付きますし、自分でドイツに来ると決めたからやらないとどうしようもない、と思ってやっています。また、イベントでうまく気分転換して学生生活を楽しんでもいます。

最後までお読みいただきありがとうございました。次回は2日6(土)に更新します。テーマは「留学前の語学準備」の予定です。

Ray

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