Rayのドイツ音楽留学レポート【第4回】ドイツの音大

Rayのドイツ音楽留学レポート【第4回】

2020年10月17日

こんにちは、Rayです。私はドイツで音楽の勉強をしている大学院生で、オーボエという楽器を専攻しています。

今月から正式に大学の新学期が始まり、コロナ禍+夏休みでガラガラだった校内がまた人でにぎわうようになりました。

早速オーケストラの授業も再開して、改めてアンサンブルの楽しさを実感しています。

オーケストラの授業でクラスターが発生したらいけないので、練習期間が始まる前と演奏会本番前に、奏者全員がコロナテストを受けに行きました。テストは会場に行って自分で検体を採取する仕組みなのですが、中には検体がうまく取れず再検査になり、最初の数日間練習に参加できなかった人もいました。汗

さて今回は、日本の音大の管楽器専攻を卒業した、という視点でドイツの音大の特徴を挙げてみようと思います。

外国人が多い

ドイツの音大の学食で座っていると、ドイツ語に混じっていろいろな国の言葉が聞こえてきます。

私の感覚では、半分以上の学生がドイツ国外からの留学生です。私のいた日本の音大では留学生は学年に1人いるかどうかだったので、さすがクラシック音楽本場のドイツだなあと感じています。

国別でみると中国、韓国がとりわけ多く、ついでスペイン、ロシア、と続きます。小さな街の音大にもかかわらず、日本人も15人前後在籍しています。逆にアメリカ大陸からの留学生は少ない印象です。

自分の国からドイツまで来て勉強している留学生、志高い人がたくさんいます。そして彼らは皆、慣れないドイツ暮らしの苦労を経験しているので、優しくたくましいです。私が困ったとき、悩んだときに親身になってくれます。

また、日本に興味がある人も多いので、日本文化について簡単に説明できるといいかもしれません。アニメ、お辞儀、神道と仏教、”いただきます”と”ごちそうさま”の意味など、よく聞かれます。

『のだめカンタービレ』を知っている人も多く、「先輩」ってどんな意味か聞かれたこともあります。

学費が安い

ドイツは全体的に大学生の金銭面に対して優しいです。国立の音大が多く、私立でも日本と比べると割安です。私が在籍しているのは国立音大で学費はかかりません。

学校に支払うのは、市内公共交通機関の定期券として使えるゼメスターチケット代と設備維持費として、半年ごとに合計199ユーロです。つまり、半年約2.5万円(2020年10月のレート)で市内交通が使い放題です。日本では一か月の通学定期で約1万円かかっていたので、交通費が抑えられて助かっています。その他学食や美術館などでも学割が効きます。

数年前からドイツ南部の一部の州では、国立音大でも外国人学生から学費を徴収しているそうです。

入試が年二回

ドイツは二学期制で、ゼメスター(Semester)という言葉を使います。

春夏学期Sommersemesterと秋冬学期Wintersemesterに分かれていて、在籍期間もゼメスターで表します。例えば、入学から半年経つと2ゼメスター目の学生になります。

入試期間もゼメスターごとに一回、年に二回設けられています。大体1~2月に春入学のための、5~7月に秋入学のための入試があります。5~7月の入試の方がより規模が大きいです。

(留学の準備についてはまた後日)

クラスの人数に上限がある

ドイツの音大の先生には一度に担当する学生数の制限があります。クラスの誰も卒業しない時期もあるため、そんな場合には入試が開催されません。

なので、受験生は事前に先生と連絡を取って空き状況(Platz)を確認する必要があります。

私はある音大を受験したときに、「あなたは試験には合格しましたが、クラスのPlatzが足りないため、入学はできません。」というなんともモヤモヤする合格通知をもらったことがあります。

カリキュラム

専門分野の授業内容は、大体日本の音大と同じです。楽器の個人レッスンが主で、オーケストラや室内楽もあります。

ただ、ドイツの音大には吹奏楽の授業はありません。吹奏楽部出身の私は、吹奏楽に参加するたびに初心者だった頃を思い出して懐かしくなるだけに少し寂しいです。

一般教養の授業がない

ドイツの音大生の必要単位数は日本と比べて少ないです。そして数学、体育など一般教養はなく、開講される授業すべてが音楽に直結する内容です。とはいえ音楽史や楽曲分析の授業ではプレゼンテーションやディスカッションが要求されるのでよく準備しておかなければならず、履修科目が少ないからと言って時間に余裕があるわけではありません。

コレペティトゥアとの授業がある

日本ではなじみのない言葉ですが、コレペティトゥア(Korrepetitor)というのはピアニストの職業の一つです。ドイツの音大には楽器やクラスごとに専属のコレペティトゥアがいます。例えばオーボエを担当するコレペティトゥアは、オーボエと共演するときのピアノの弾き方を熟知していて、レパートリーもたくさん持っています。

学生はコレペティトゥアとの授業にピアノとのソナタや協奏曲を持っていき、ピアノパートを弾いてもらいます。コレペティトゥアは学生の意志に寄り添ってくれますが、ただ合わせるだけでなく、自身の経験をもとにバランスをとったり、音楽全体を見たうえでアドバイスしてくれたりします。

卒業試験

私が日本の学部を卒業するときは15分の協奏曲を一曲演奏しましたが、ドイツでは学部生も院生も、曲をいくつか組み合わせて1時間ほどの卒業リサイタルをすることが求められます。1時間ものプログラムを十分に準備するには時間がかかるので、私は卒業まで時間がありますが、すでに候補曲を考えています。

まとめ

今回は日本の音大を卒業してからドイツに来た私が新鮮に感じた違いをつづりました。留学に求められる語学力については後日まとめるつもりです。さらにドイツでの実際の授業の様子もいずれご紹介しようと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました!
次回は10月31日(土)に更新します。テーマは「サマータイム」の予定です。

Ray

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