2022年2月5日
こんにちは、Rayです。私はドイツで音楽の勉強をしている大学院生で、オーボエという楽器を専攻しています。
今回は、ドイツに来て少しずつ見えてきた、ドイツの音楽界についての私見をご紹介します。
なお、音楽大学には世界中から集まる多くの留学生が在籍しています。今回書く記事でも、ドイツで生まれ育った人以外の話も入れています。
もくじ
音楽大学や音楽界には
まずどういう人が音楽家になるのか。職業選択の自由がある現代ドイツではおそらくほとんどの人が自分の選択で音楽家を志しますが、話を聞いていると音楽家一家に生まれて自分も音楽を、という人はドイツにも日本にも多数います。
私の両親は音楽とは関係のない分野の専門家ですが、小さいころのヤマハ音楽教室をきっかけに私は音楽の早期教育を受けてきました。その後中学校の吹奏楽部でオーボエに出会って今音楽を専門に勉強しています。
大学の友人や先輩音楽家などからは、両親共にどこかのオーケストラの団員で物心ついた時から演奏会に行く習慣があったという話をよく聞きます。さらに西洋音楽の伝統が続いてきたドイツでは、実家は教会を管理していて毎週日曜日のミサで父親が弾くオルガンを聴いて育った、現代版バッハ家のように親族に音楽家が多いことから自分の名字は音楽界で知られている、などといった私には想像もつかない話もあります。
生まれた時から音楽に囲まれてきた彼らを少しうらやましく思いますが、音楽家一家にいながら自分も音楽家を志すことは周りからの高い期待があるのだろうと想像できます。相当なプレッシャーにも負けない本人の決意に尊敬の念を抱きます。
地元に根付く芸術文化
公益社団法人日本オーケストラ連盟によると日本のプロフェッショナルオーケストラが全国で38団体ですが、ドイツではその数129団体です(ドイツのオーケストラ協会DOVによる)。
ベルリン、ミュンヘンなどのドイツの大都市には複数のプロオーケストラがあり、小さい街にも地元の劇場、地元のプロオーケストラがあります。
例えば私が住んでいる中規模の街にも市民劇場があり、そこを拠点にオーケストラ・合唱団・バレエ団・そして劇団が常設されています。コロナの制限のある時期を除いてほぼ毎日劇場で何かしらの公演があり、市民が気軽に聴きに行ける環境が整っています。コロナ禍初期の厳戒態勢が緩くなった頃、半年以上ぶりに開催されたオーケストラの演奏会は連日満席で、地元の人が再開を心待ちにしていたことを実感しました。(ちなみに私はこの公演のチケットを入手できませんでした。)
市や州の助成のおかげでチケットの値段が手ごろなうえ、学生証の提示で10ユーロになったり学生招待の公演があったりもします。
劇場のメンバーは公務員的な立場で労働契約がなされていて、経済的に安定した状況で仕事に専念できます。
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団が日本公演をする場合、チケット料金は1~4万円もする上に即完売しますが、本拠地フィルハーモニーでの定期演奏会の場合は高いチケットでも1万円弱とそれほど高くなく、さらに当日券で立見席なら8ユーロから購入することができます。
さらにベルリンの演奏会は特別なコンサートを除いて厳しいドレスコードはなく、気軽に聴きに行くことができます。ベルリン育ちの友人は幼少の頃からベルリンにいくつもある世界的に有名なオーケストラやオペラ劇場の音を聴いて育ったといいます。

公立の音楽学校と音楽大学
日本で音楽の教育を受けるといったら、近所の楽器教室やヤマハやカワイ音楽教室などでピアノやヴァイオリン、フルートなどを始めるのが一般的だと思いますが、ドイツには公立の音楽学校が各地域にあり、助成のおかげで手ごろな値段(子どもの場合半年で300ユーロから、など)で定期的なレッスンが受けられるそうです。ピアノなどの一般的な楽器に加えてリコーダーやオーケストラの楽器、サクソフォン、声楽などの教室が開講されているのが一般的です。学校の授業が終わった午後に音楽学校に行ってレッスンを受ける、というようなスタイルになるようです。
小学生くらいの小さな子が、通常の半分くらいに小さくなったかわいいファゴットを演奏する姿や子どもから大人まで音楽学校の生徒が集まってオーケストラの演奏をする様子がSNSに載っているのを見かけます。
また音大の友人でも音楽学校の講師としてパートタイムで働く話を聞きますし、音大に時々求人情報が回ってきます。
音楽大学はドイツ各地にたくさんあり、その多くが国公立です。最近は留学生の場合授業料がかかる音大もありますが、イギリスやアメリカなどでの学費と比較するとまだ抑えられていると思います。私のいる音大では国籍に関わらず授業料がかからず、整った環境で勉強することができます。(学籍と学生券の登録料はかかります。)
音大生必見のオーケストラ求人情報
ドイツの音大のオーボエ専攻生になってしばらくすると、私はオーケストラのオーディションに挑戦することを考え始めました。求人情報を探すときに知ったウェブサイトがmuvac (Vacancies • muvac.com)、 Das Orchesterの求人情報欄(Vioworld, the market for music and culture | Jobmarket > Orchestras)、musicalchairs(Orchestra Jobs | Orchestra Auditions | Classical Music Jobs (musicalchairs.info))です。
特にmuvacはドイツのほとんどのオーケストラが求人情報を載せていて、日付順、楽器別にまとめて掲載されているので非常に便利です。またオーディションへの応募フォームもサイトの中にあるので、アカウントを作ったら検索から応募までこのサイトで完結します。
他にドイツ国内の一部のオーケストラや周辺国、世界のオーケストラの求人情報があるかを調べるときには、他の2つのウェブサイトを見て、リンクから各オーケストラのウェブサイトに飛び、そこから応募します。特にmusicalchairsは日本のオーケストラの求人情報や世界中のコンクール情報も出てくることがあるため、忘れずにチェックします。
ドイツのオーケストラには招待状制があり、書類審査の段階で実技審査に参加できる候補者を厳選すると聞きます。師事歴や経歴が審査の基準になるということですが、私はせめてドイツ語力の低さで落とされることのないように、周りのドイツ語ネイティブの人に手伝ってもらって応募書類を作って、招待状が来るの待っています。
音楽家の将来
私の将来の目標はオーケストラの団員になって音楽に向き合う人生を送ることですが、ほかにもオーボエ奏者の生きる道はたくさんあります。
日本、ドイツに限らずどこかの音楽学校や大学で楽器や音楽理論を教えること、学校の音楽の教師になること、他の分野の勉強をしてオーボエ×○○の人になること、リード販売をすること、フリーランスとしてその全部をすること、などです。
留学生がドイツの大学院を卒業すると、ドイツ国内に1年半程度滞在することのできる職探しビザを申請することができます。そのビザでドイツに留まり音楽家として生計を立てる基礎を固める人も多くいると聞きます。
現在芸術活動への助成が手厚いからこそドイツの各地に劇場と芸術団体がありますが、コロナ禍の後に予想される経済の落ち込みや伝統芸能を支える観客の高齢化などにより、財源が少なくなることも十分に予想できます。また、30年前の東西ドイツ統一を機に旧東ドイツ地域にあった地方オーケストラの一部が解散、吸収合併などして数が減少してしまったり、ほんの数年前にも割と大きめのオーケストラが合体したりと、様々な変遷を経ているようです。ドイツの政治のことについても全く他人ごとではないなあと感じる日々です。
まとめ

この音楽ホールも後世に残すことができますように、と各地のホールに行くたび思います。
今回はドイツの音楽界についての私見を書いてみました。音楽家として生計を立てていくことの難しさと戦略の必要性は日本でもドイツでも変わりませんし、クラシック音楽界全体が伝統を継承する理想と財源の確保に悩む現実の狭間にいることも同じです。私一人では大きな変革はできないですが、今恵まれた環境で音楽を勉強させてもらえていることを将来社会に少しでも還元できるといいなと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。次回は2月19日(土)に更新します。
Ray
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