Rayのドイツ音楽留学レポート【第29回】ドイツと日本の選挙と投票

2021年10月2日

こんにちは、Rayです。私はドイツで音楽の勉強をしている大学院生で、オーボエという楽器を専攻しています。執筆中の今、私は在籍するオーボエクラスの合宿で郊外のゲストハウスに来ています。久しぶりの教授とのレッスンを受けたりクラスメイトとのアンサンブルをしたり、空き時間に音楽について話したり、たくさんのことを学ぶ一週間です。

先週の日曜日、9月26日にドイツ連邦議会選挙がありました。今回は現首相のアンゲラ・メルケル氏の後任が決まる選挙でもある、ということで日本のニュースでもたびたび取り上げられていたようです。今回はドイツの選挙についてと在外邦人が日本の選挙に参加する方法を記事にします。

今回の選挙は?

冒頭でも申し上げたように、9月26日にドイツ連邦議会選挙がありました。ドイツの政治は連邦制、日本の衆参議院の様な両院制、議会で選ばれた首相が内閣を組織する議院内閣制であり、さらに連邦大統領がいます。

今回の選挙は日本の衆議院に相当する議院の選挙で、4年に一度回ってきます。今回の選挙結果によって新首相も決まりますが、国民が直接選挙で首相を選ぶわけではなく、一番多数の議席を獲得した政党の党首が首相になるようです。この仕組みは日本と似ています。小選挙区制と比例代表制を組み合わせた選挙システムで、近所の小学校や文化センターが投票所になったようです。

日本と違う点は郵便投票もあることで、半世紀以上の歴史があるそうです。特に今回の選挙ではコロナウイルス感染拡大防止の意味もあり、街の選挙ポスターには郵便投票を勧めるものも多くありました。

ドイツ人の友人が、「ドイツ連邦議会の議席数は選挙結果によって定数から増えることがあったり、得票率5パーセントのルールがあったりと複雑で、これまでに3,4回投票したけど私はルールを完全把握できたとは思えない。」と言っていました。彼女の話によると、有権者は選挙が始まる前に参加の有無を伝え、もし参加表明をしたにも関わらず正当な理由なく当日参加しなかった場合、罰金を取られてしまうそうです。(私が彼女の言ったことを正しく理解していれば、ドイツのほうが日本より厳しいルールがあることになります。特に罰金があるかもしれないことに驚きました)

この複雑なドイツ議会選挙の仕組みを、ドイツ連邦共和国大使館・総領事館の公式HPでは日本語や動画でわかりやすく紹介しています。その他にもかわいいイラストとともにドイツ語のことわざやドイツの文化などを書いたページもあり割と頻繁に記事がアップされるので、いつも楽しみに見ています。ドイツに興味がある方はぜひご覧になってみてください。

https://linktr.ee/germanyinjapan

アフター投票パーティ

9月下旬に大学メールの受信箱を見た時「アフター投票パーティ:集計時間中、街の劇場と音大の合同主催のイベントが開かれます。音大の学生は誰でも歓迎です。ドリンクとスナック、そしてビンゴ大会をしながら開票作業を見守りましょう」という案内があって驚きました。日本の選挙しか体験したことのない私は、投票後といったら延々と続く開票速報と当確、赤い花が連想されますが、開票中にみんなで集まって楽しむなんて斬新だなと思いました。

当日は予定が入っていてパーティに参加できませんでした。ですので実際の空気がどうだったのかを知ることはできませんでしたが、どの政党が優位でも盛り上がるパーティだったのか、それとも特定の政党や候補者を支持する人が集まって政治談議が続くような会だったのか、他の街の大学でもそのようなパーティがあったのかが気になっています。

選挙シーズンの街の様子

選挙シーズンは街のあちこちに候補者のポスターが出現したりダイレクトメールが郵便受けに入っていたりしました。それから広場には政党のテントが出現していて、私も政治家の顔をなんとなく知ることができました。中には、ポスターの顔部分に落書きされて大変醜い姿になってしまった候補者もありましたが、数日後には新しいものに替わっていたので、きちんと管理されていた印象です。

私はドイツ語の勉強のために時々子ども向けニュース番組見るのですが、子どもレポーターが大きい政党の代表にインタビューをする回がありました。お堅い政治家にこどもレポーターが鋭い質問をしていたのは素晴らしいと思いましたし、政党の代表も丁寧に回答していてわかりやすい番組になっていました。

ドイツの選挙権のある人は18歳以上のドイツ国籍保持者ですが、上記の様な選挙権のない子どもたち向けの番組で政治を正面から取り上げていたのは、政治に関心を持ついい機会だと感じました。そのような日頃の取り組みがあってなのか、毎回の選挙の投票率は日本より高く、今回は75%を越えたそうです。

在外選挙

日本でもこの秋に衆議院選挙があります。【海外に住んでいる日本人は選挙に参加できるのか】というのが留学後の私の疑問だったのですが、答えは【手続きをすれば海外からでも国政選挙や元居住地の地方議会選挙に投票できる】です。在外選挙人制度という仕組みのご案内メールがたびたび在ドイツ日本国大使館から届きます。

在外選挙には、日本から海外に来るときに海外転出届を役所に提出すること、居住している国、地域の日本領事館・大使館に在留届を提出すること、それから在外選挙人名簿の登録をして在外選挙人証を交付してもらうことが必要です。ウェブサイトの情報によると、登録の申請は郵送ではなく在外公館に直接訪れる必要があり、その後実際に投票ができるようになるまでには2カ月程度かかるようです。

登録が済むと、在外公館での投票か郵便投票、または日本での投票ができるそうです。

私は在留届を提出したものの個人的な都合で海外転出届を出していないため(義務ではない)、日本の選挙人名簿の方に名前があります。このため、この在外選挙人制度を利用することができません。

まとめ

私は残念ながら秋の衆議院選挙への投票権を放棄してしまうわけですが、この記事を読んでくださった皆様にはぜひ投票に行っていただきたいと思っています。選挙結果で社会の目指す方向性が緩やかに、しかし確実に変わると思いますし、投票率で政治家の意識を幅広い世代に向けられるとも言われているからです。

多数決原理で一人の意見が薄まってしまうのは致し方ありませんが、それでも投票は現行のシステムの中で国民の意思を政治に反映させられる方法だと思います。私は今回のドイツ選挙をドイツにいながら見ていて、しかし投票資格がないので関わることができない、という少し空しい感じを味わいました。そして諸事情で日本の選挙にも関わることができない、思うところは結構あるのに、とモヤモヤします。少しでも今回の選挙の投票率が上がることを祈るばかりです。

最後までお読みいただきありがとうございました。次回は10月16日(土)に更新します。

Ray

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です