Rayのドイツ音楽留学レポート【第41回】 ドイツの「休み」

 

2022年3月19日

こんにちは、Rayです。私はドイツで音楽の勉強をしている大学院生で、オーボエという楽器を専攻しています。

2月に秋冬学期が終わり、私たち学生は3月末まで大学の休み期間を過ごしています。そこで今回はドイツの休暇事情と、学生が休暇に何をしているかをお伝えしようと思います。

 

一般的なドイツの休暇

一般的な小中高等学校の休暇は年4~5回ほどあります。私の住む州ではこのように設定されています。

冬休み 2月頃2週間

イースター休暇 3~4月に約10日間

プフィングステン(精霊降誕祭というキリスト教関係の休日) 6月初旬に数日間

夏休み 7~8月に約1ヶ月

秋休み 10月頃に約10日間

クリスマス休暇(年始まで)2週間

社会人の有給休暇は年間約30日あるそうで、病気等のためにその有給休暇を取っておく必要はないようです。こどもの休みに合う上記の期間に合わせて休暇を取る社会人が多いそうです。

 

音楽家の休日・休暇

音楽家など一般の人の休日を彩る職業の場合、週末に演奏会があることが多く、平日かつリハーサルのない日に休みます。長期休暇のシーズンも一般的なそれとはずれて設定されます。

ドイツには「寒い冬の夜には家族みんなで近所の劇場に行こう」という文化があるので、クリスマス休暇のシーズンを中心にオーケストラや劇場は繁忙期となります。そのため、クリスマスシーズンはクリスマスイブや当日の朝などは空いているものの、それ以外の日は連日公演にリハーサルにと忙しいスケジュールになっています。私は秋からある劇場で期間契約団員をしていますが、そこでは年末の繁忙期が終わってから2月に2週間ほど休みがありました。(そしてコロナの制限によって劇場が閉まり、結局1ケ月半何もない期間が続きました。)

もうすぐ来るのが春のイースター休暇です。キリスト教の大事な行事であるイースターは毎年時期が微妙に違っていますが、今年2022年は4月中旬です。イースターに関連した音楽とその演奏機会がたくさんあるので、音楽家は忙しくなります。そのため、劇場の休暇は一般的なイースター休暇より数日遅れて始まります。

劇場では部署や劇場の団体(オーケストラ、合唱団、バレエ団、演劇団など)ごとに交代で休みを取ります。劇場ではほぼ毎日何かしらの公演がありますが、オペラ、オーケストラ、バレエ、演劇、そして少人数での公演やゲストによる公演などが交代で開催されていて、例えばオーケストラ全員が休みになる期間の公演カレンダーは、演劇などオーケストラを使わない演目が並んでいます。

またはオペラなど長期間にわたって幾つも公演がある演目の場合、オーケストラの管打楽器はダブルキャストになっていて、交代で休みを取ります。

 

夏休みの時期が州によって違う

ドイツに来てとても驚いたことが、夏休みの期間が州によって違うことです。

ドイツには16の州がありますが、6月下旬から主に北部の州から夏休みが始まり、北部の秋学期が8月頭に始まった頃、やっと南部の一番遅い州では夏休みが始まる、というような具合です。

この仕組みにはメリットとデメリットがあります。

まず州ごとに休暇が違うので、人気の旅行先や高速道路の混雑が抑えられることがメリットとして挙げられます。実際に私の住む街は秋学期になっている期間にも他の州から来た観光客で賑わっていて、観光業界には助かる仕組みだと思います。

違う州に住む家族や友人の休暇の時期がずれていることを、デメリットとして周りからよく聞きます。私は昨年の夏に日本で一緒に勉強していて、今は違う州に留学している友人と会う計画をしましたが、なかなか予定が合わず断念しました。その点では日本の盆休みやゴールデンウィークのように決まった期間があると予定を立てやすいのだなと思います。

 

音楽家の夏休み

ドイツの劇場やオーケストラは秋から夏休み前までを1シーズンとしていて、夏休みはまるまる1ヶ月間劇場が閉まります(アマチュア公演、ゲスト公演などはあります)。ですのでシーズンオフの夏の期間は、演奏会を聴きたくても公演が少なくなるので注意が必要です。

夏休みなると楽器を修理屋に預けて1ヶ月間のバカンスに行きリフレッシュ、休暇の終盤に少しずつ練習を再開して次のシーズンに備える団員が多いそうです。また夏の特別音楽祭での特別編成オーケストラに参加する、数日間のマスタークラスなどで講師として参加して後進の指導に当たるなど、普段とは違う場所で活動する人もいるようです。

 

病欠する権利がある

休暇や有給休暇とは別に、(少なくとも私のいる劇場では)病欠する権利があります。

病気になったり風邪をひいてしまったりした場合は、病院でもらう診断書を職場に提出すれば、病欠しても有給休暇は減らないそうです。「這ってでも行く」という根性よりも、万全の体調で仕事に臨むことが大事とされているようで、周りが病欠を悪く言うことは(少なくとも私の周りでは)聞いたことがありません。

 

休暇は休暇

「ドイツ人は休暇を大切にする」という話を聞いたことのある人がいるかと思いますが、まさにその通りだと思います。役所に手続きに行っても担当者が休暇による不在で待たされる、または別のスタッフが業務代行、ということがあります。日本では良くも悪くも考えられないことです。

それから、ドイツ語の教材やドイツ人との会話ではよく「次の休暇は何をするか」という話題になります。

2月末の休暇明けに久しぶりの練習で団員と会ったときは、皆それぞれの休暇の思い出話で楽しそうでした。スキー旅行や帰省など、勤務地から離れたところに行った人が多くいました。そして最近はもう、次にある4月の休暇は何をするかという話になります。

 

休み期間、学生は?

大学生の休み期間はとても長いです。年間スケジュールには、2月から3月末、夏休みの7月から9月末、12月中旬から2週間ほどの休みが設定されていることは日本もドイツも同様です。

しかし実際学生が休みに遊び惚けていられるかといえば、そうではないと感じています。

例えば、2カ月弱の休み真っただ中の今日も、音大では個人練習をする音が聴こえてきますし、来月すぐに開催されるコンクールに向けて本腰を入れる学生、学科の特別授業のためグループワークをしている学生を見かけます。

かくいう私も、就活に当たるオーディションの準備や予備審査のための録音に毎日バタバタ走り回っています。私の先生もオフィシャルの授業期間ではないにもかかわらずご厚意で特別レッスンをしてくださっているので、学期中とそんなに変わらないかのような日々を過ごしています。

寮の隣人で総合大学の学生に聞いても、公式な授業期間は終わっているにも関わらず、つい先日までレポート課題や試験に追われていた話や、やっと1週間何もしなくてもいい期間ができて数日間帰省する話などが返ってきます。その合間にアルバイトをして生活の足しにする人もいるのだからすごいことです。おそらく学生は皆、年間を通して専攻分野の勉強に忙しいのだな、と常々感じます。

 

まとめ

ドイツ社会の有給休暇に関する規則など詳しい話はまだよくわかっていませんが、少なくとも言えることは、ドイツの休暇は日本のそれより多く、大切にされているということです。

そのためか、大学生でも自分で「試験が終わったからこの期間、私は休む」と決める人がドイツには結構いることに気が付きました。その後どんなに忙しくなりそうでも楽器を持って行かずに旅行したり、楽器の練習や課題から離れてみてリフレッシュしたりして、休み終わったら切り替えて勉強する様子を見聞きします

対して日本、韓国、中国出身の学生を中心に、休みの期間もほぼ毎日学校の練習室にいてコツコツ練習を重ねる学生もいます。留学には期限があるから、という現実的な理由も大きいとは思いますが、休暇の文化の違いを知られて面白いなと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。次回は変則的に3週間後、4月9日(土)に更新します。

Ray

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