シェフヒロサワの徒然日記 2026年4月

2026.4.27(月)

今日もシェフヒロサワの『音楽畑で豊かな時間』のコーナーです!

作曲する際に、曲を先に作っておいて後から歌詞をつける「曲先」と、歌詞が先にあってそれに曲をつける「詞先」があります。

どちらが良いという問題ではなく、大事なことは音楽と詞が融和しているかだと思います。特にシンガーソングライターは同じ人が詞と曲を書いているので、初めから同じ世界を音と歌詞で表現しているのですから、融和するのは当たり前です。

音楽畑の朗読コンサートも、朗読原稿が先にあって後からそれに合う曲を選曲する場合もあれば、最初に選曲しておいて、後からそれに合う朗読原稿を探したり書いたりすることがあります。基本的には、原稿が先にあってそれに合う曲を選曲するのですが、やはり何回もこのスタイルでやってみると、選曲する人のセンスが一目瞭然で分かります。

故・長嶋茂雄さんは動物的勘の持ち主と言われましたが、センスというのは理屈ではありません。毎回コンサートの度にアンケートをとっていますが、「朗読と音楽が合っていて感動した」という回答が圧倒的に多いのは、佐藤美香さんです。

いつも「この原稿に合う曲を選曲して」とメールを送り、しばらくすると返事が来て最初は「?」という選曲なのですが、改めてその曲の背景や作曲の経緯を調べてみると、音楽が醸し出す場面環境と場面に登場する人物の感情が、朗読で伝えたいことと見事に合致しているのです。

しかし、本人に「どうしてもこの曲を選んだの?」と聞いてみると、いつも「何となく」というだけで、全く論理性を持たずに感性だけで選曲しているのです。そのため、ジャストミートする選曲が多いものの、時々全く的外れな選曲をしてくる時もあります。しかし彼女は原稿から感じたもので直感的に選曲しているので、それも仕方ないと諦めています。

ただ音楽に感性は必要ですが、感性だけでは構成力や表現力の引き出しが広がらないので、物語のどこに悲しみや喜びを感じ、その悲しみや喜びを音楽でどうやって表現するのかのロジックを磨かないと、どんなに良い曲であっても心は揺さぶられません。私は原稿を書く時も編曲する時も、パソコンで仕事をしているのですが、原稿の読み上げアプリや楽譜再生アプリが表現するものに感情は全くありません。

しかし、「音楽は言葉にならない詩」という言葉の通り、8月2日の佐藤美香の朗読コンサート“注文の多い料理店”の朗読原稿と参考音源を久しぶりに聴いてみたのですが、全て頭に入っているのに思わず涙してしまいました。

宮沢賢治の文学と佐藤美香の音楽の「命の協奏曲(コンチェルト)」と名付けたコンサートは、命の尊厳を改めて問う渾身の内容になっています。

さて、本日の料理は… 🍳 ベーコンと玉ねぎの塩昆布パスタ 🍳 チョコあんぱん 🍳 さつまいものジャーマンポテト 🍳 小松菜のごま和え 🍳 キャベツのコンソメスープ

 

 

2026.4.26(日)

今日もシェフヒロサワの『音楽畑で豊かな時間』のコーナーです!

ここ2週間、8月2日の佐藤美香朗読コンサート”注文の多い料理店”で演奏する久石譲作曲でEXILEのATSUSHIが歌った「懺悔」のピアノ伴奏のアレンジに没頭していました。

元々は出版されているピアノ譜を使用するつもりだったのですが、あまりに編曲がお粗末だったので少し手を加えるつもりが、ほとんど書き直しになってしまいました。しかし、権利関係の問題があるので、このアレンジ譜が表に出ることはありませんし、他者に提供することもありません。

言ってみればこれは個人的なこだわりに過ぎず、聴く人にとってピアノの伴奏譜なんて正直どうだって良いのかも知れません。でも久石譲さんの曲はテンションコードが多様されているため、和音をどう展開するかによって聴こえ方が全く変わってしまいます。加えて原曲のストリングス、ピアノ、ハープの7パートの楽譜をピアノ一台にまとめなければなりません。たかだか5分程度の曲なのに、このアレンジのために毎日4時間以上パソコンと睨めっこすることになり、時々ストレッチしないと身体が固まってしまいます。

そのため毎日1時間以上ウォーキングをしているのですが、先日電線の張り替え工事をするために、作業員の人が電柱に登って仕事をしていました。その人のおかげで毎日電気が家に送られて来るのですが、私はその人のことは全く知りません。でも仕事というのはそれで良いのだと思います。他人から認められたい、褒められたい、感謝されたい、確かにそうあれば最高です。

でも仕事というのはお金をもらってしているのですから、認められなくても、褒められなくても、感謝されなくても、自分が胸を張った仕事が出来ればそれで良いのです。架け替えの終わった電線の仕事に誰もグッドジョブを出してくれませんが、野鳥が二羽その電線にとまっていました。

編曲なんて誰のためにしている仕事なのかと思うこともありますが、作曲家の意図をお客様に橋渡しするための黒子としての矜持を胸に、作っては壊しを繰り返してようやく完成することがでしました。

さて、本日の料理は… 🍳 ポークチャップ丼 🍳 イカと里芋の煮物 🍳 カボチャとひき肉のそぼろ煮 🍳 ほうれん草とお豆腐のお味噌汁

 

2026.4.24(金)

今日もシェフヒロサワの『音楽畑で豊かな時間』のコーナーです!

上毛新聞敷島球場で開催された巨人と中日の試合は、巨人が圧勝し中日は今季ワーストの6連敗を喫しました。これで21試合を終えて4勝17敗となり、最下位に沈んだ80年の開幕23試合目を上回る球団史上最速での17敗到達となり、借金は13に膨らみました。20試合以上を経過して、勝率が2割を割ったのは球団史上初めてとのことです。

まあ阪神以外のことは私にとってどうでも良いのですが、その試合の始球式に登場したのは、プロ野球ニュースでもお馴染みの井森美幸さんでした。57歳になった井森美幸さんですが、堂々とした投げっぷりは20代かと見まごうほどで、容姿も含め今もっても芸能界で活躍されているのには敬服するしかありません。

実は私が初任者時代、同級生が下仁田高校に赴任していたため、夏休みの吹奏楽部の練習にお邪魔したのですが、その時にフルートを吹いていた一年生が井森美幸さんだったのです。

確かに飛び抜けて綺麗な子だとはおもいましたが、2学期からは芸能界入りするために東京の堀越高校に転校してしまうのだと聞き、びっくりしたのを覚えています。こんな群馬の田舎の子がどうして芸能界入りのチャンスを掴んだのかと思いましたが、ホリプロタレントスカウトキャラバンで12万人の中からグランプリを獲得した、あの伝説のオーディションでのジャズダンスが受けたのでしょうね。

業界で飽きられずに生き続けることは、並大抵の努力ではなかったと思いますが、ぐんま特使としてこれからもますます活躍していただきたいと思います。

さて、本日の料理は… 🍳 マグロの漬け丼 🍳 肉じゃが 🍳 味噌チーズカツ 🍳 ひじきとあげ煮 🍳 ニラと卵のお味噌

 

2026.4.15(水)

今日もシェフヒロサワの『音楽畑で豊かな時間』のコーナーです!

合奏は大きなアンサンブルとも言われ、上手なバンドは日常から協調性と自立性を育てる活動を行っています。

まず大人数でひとつの音楽を作るためには、一人一人が勝手な演奏をしていたのでは、音程、リズム、ハーモニーが整いません。そのため周りとの協調性がない人は、全体の演奏を乱す原因になってしまいます。

だから毎日顔を合わせる仲間であっても、挨拶を欠かさず、言葉遣いに気をつけ、時間を守り、指示には素直に従うなど、集団行動が求められます。

しかし、そうなるとただのイエスマンになってしまい、肝心の自己表現が疎かになってしまうので、協調性を持ちつつも自立性も求められます。だから何の疑問も持たずに言われた通りにやっているだけでは聴く人には何も伝わりませんから、指示に従いながらも自立性を持った演奏が求められます。

一見すると相反する協調性と自立性ですが、このバランスがとれた演奏だから価値があるのです。

そして意外に思われるかも知れませんが、猫はこの協調性と自立性が備わっています。飼い主が可愛がり、ふれあいを求めた時にはそれを受け入れて喉を鳴らして喜びを表現します。一方、飼い主が相手をしてくれない時は場所を変えて自分の時間を過ごしてくれます。

一般的に猫は自立性が高いと言われますが、飼い主の愛情を喜んで受け入れてくれます。そんなところが、猫派の人たちが増え続ける要因なのではないかと思います。

さて、本日の料理は… 🍳 海老のトマトクリームパスタ 🍳 鶏むね肉の照りタマサンド 🍳 イタリアン餃子 🍳 トマトとにんにくのスープ

 

2026.4.13(月)

今日もシェフヒロサワの『音楽畑で豊かな時間』のコーナーです!

先日「50代男性の37%が友達ゼロ」という記事を見ました。私自身の50代を振り返ってみても、人生の中で一番仕事に専念できた時期であり、家庭でも親の介護や子どもの自立というプライベートでも大きな節目を迎えていたこともあり、友達と過ごす時間はほとんどありませんでした。

もちろん仕事の上で信頼している人とは胸襟を開いて何でも相談しましたし、時には家庭の話も聞いてもらうことはありました。しかし、管理職という仕事はいつも部下の動きを見ていなければならず、リスクマネジメントや人を育てるためのアドバイスのタイミングを図っていることが多く、頭から仕事のことが離れることはありませんでした。

時には仕事から離れて心身ともにリラックスするために、友だちを誘って気分転換でもしようと思いましたが、なかなかそういう気分になれませんでした。

それが定年退職を機に、仕事上の仲間と過ごす時間はなくなり、今までの自分のポストには他人が座っていて、部下もその人と仕事を始めていてそこに自分の居場所はありません。

仕事を辞めることで、約束や責任から解放される代わりに自由を得ることができます。時間に縛られることも、名刺の肩書きに縛られることもなくなります。

そんな日が来ることは分かっていたはずなのに、その自由を一緒に過ごしてくれる友達を大切にしておかないと、金と時間はあっても虚しい老後が待っているだけです。

幸い私は教育の仕事から離れ、音楽事務所というセカンドライフを歩き始めたため、たくさんの音楽家さんとともに自由な時間を満喫していますが、孤独を友としたセカンドライフは想像するだけでゾッとします。

さて、本日の料理は… 🍳 ケチャップナポリタン 🍳 塩麹卵サンド 🍳 ポテサラサンド 🍳 タラのカレームニエル 🍳 ミネストローネスープ

 

2026.4.8(水)

今日もシェフヒロサワの『音楽畑で豊かな時間』のコーナーです!

先日、12月26日(土)桐生市有鄰館で開催されるあぽろんずクリスマスコンサート2026”クリスマスキャロルとスティーブ・ジョブズの最期の言葉”の選曲会議を行いました。

選曲会議と言っても、コンサートの演目にある通り、チャールズ・ディケンズのクリスマスキャロルとスティーブ・ジョブズの最期の言葉の朗読原稿を作ったのは、先に曲が決まっていたからです。それなのになぜ選曲会議を行なったのかというと、演奏予定の曲の楽譜がどうしても見つからなかったからです。

あちこち調べてみましたが、どこも絶版で入手不可能という回答だったので、色々な方に尋ねてみたのですが、その曲はやったことも聴いたこともないと言われる始末でした。そのため急遽メンバーにお集まりいただいて善後策を協議しました。

まず大前提は楽譜を探すことなので、まだ私が手をつけてないところにあたってみるとともに、代替候補を上げていただき、私の方でじっくり再検討することになりました。

この間、娘にも協力してもらい友達や後輩や知り合いに問い合わせてもらいました。その結果、いくつかの当たりがあったのですが、楽譜の保存状態が悪かったり、組曲なのに全曲揃ってなかったりと決め手がありませんでした。

しかし、ペトルッチには無かったものの国会図書館経由で桐朋音大の図書館にあることが分かり、都内に住む娘にお願いして手配することができました。確かにこの作品はYouTubeでもほとんど取り上げられておらず、外国作品が一本だけアップされているというレアな作品です。

しかし、だからこそ聴きなれないこの曲を楽しんでいただくために朗読があるのであり、非常に希少価値の高い朗読コンサートになります。

最後の最後で楽譜がない!という想定外のトラブルに見舞われましたが、娘がこんなに精力的に探してくれるとは思いもしませんでした。やはり家族はありがたく、頼りになります。

さて、本日の料理は… 🍳 きのこの和風パスタ 🍳 いちごのシフォンサンド 🍳 トマトとズッキーニのイタリアン炒め 🍳 ピリ辛コンソメスープ

 

2026.4.5(日)

今日もシェフヒロサワの『音楽畑で豊かな時間』のコーナーです!

私は現職時代、吹奏楽部の定期演奏会の選曲は生徒にさせていました。しかし、生徒に丸投げしてしまうとただの人気投票になってしまうので、演奏会全体のテーマ、各部のテーマを決めておき、それに応じた候補曲を生徒に考えさせるようにしていました。

そもそも部活動というのは生徒の自主性、主体性を育てるためにあるものですから、顧問の考えた曲を生徒にやらせるというのでは、その目的から外れてしまいます。

そのため生徒には内緒で自分なりの候補曲を考えておいて、それより良い曲が出てくればそれを採用し、的外れな曲が出てきた時は再考させ、それでもダメな時は私の候補曲のヒントを出して生徒に考えさせるようにしていました。

今年8月2日(日)に前橋文学館で開催される佐藤美香朗読オーボエコンサート“注文の多い料理店”の後半の部は、佐藤美香作曲のオリジナル作品ですが、前半の部は朗読するエピソードを提示して佐藤美香に選曲させました。その結果、私の期待以上の曲を選んでくれました。特になめ猫又吉の半生を描いたエピソードの際に演奏する久石譲作曲の「懺悔」は素晴らしい作品です。

オリジナルはEXILEのATSUSHIが歌っている作品なのですが、そのメロディーが脳裏に焼き付いて離れません。佐藤美香さんの選曲のセンスの素晴らしさには、毎年感服させられます。

さて、本日の料理は… 🍳 夏野菜の素揚げスパイシーカレー 🍳あじフライ 🍳鮭のムニエル 🍳えのきと長ねぎの生姜スープ

 

2026.4.3(金)

今日もシェフヒロサワの『音楽畑で豊かな時間』のコーナーです!

「心が折れそうになった」というフレーズを頻繁に耳にしますが、昭和に育った私には「それは心が弱いからだろ?」と言い返したくなります。

私が「心が折れそうになった」のは、高校に入って音楽の先生を目指してレッスンに通い始めた時でした。中学時代はバンドに明け暮れていた私は音楽の先生と大喧嘩していたこともあり、担任の先生から「だったらお前が音楽の先生になって見返してやればイイ」という誘い文句に乗せられて高校入学後、大学の実技試験のためにピアノ、声楽、ソルフェージュ、聴音のレッスンに通うことになりました。

しかしバイエルも弾けない私に対し、他の高校生はベートーヴェンだのショパンなどをあっさり弾いているのを目の当たりにして、それまでの過信は見事に砕け散りました。

加えてそれまでほとんど耳コピで演奏して来た私は、楽譜を見てピアノを弾いたり歌を歌ったりすることは、生まれて初めての体験でした。しかも声楽の先生にはクラッシックの発声法を教えていただくもののバンドをやっていた私には全く合わず、ソルフェージュに至っては、今どこを演奏しているのかすら分からず迷子になってしまう始末でした。

でも最大の屈辱は聴音でした。楽譜を読むことすら出来ないのに、聴いたメロディーを楽譜に書くなど絶対無理です。そして真っ白なままの五線譜を見た幼稚園児から「お兄ちゃん、教えてあげようか?」と同情されました。でもその時はありがたく答えを写させてもらいましたが、その時ほど自分が情け無く思ったことはありませんでした。ライバルの高校生に劣っているどころか、自分の音楽の能力は幼稚園児以下だと自覚せざるを得なかったからです。

そんなこんなで、音楽教師を目指すなんて絶対無理!と思ったことは数知れず。実際何度もレッスンを仮病で休み、もう辞めますと何度も言おうとしました。でもここで辞めたら中学校のあの音楽の先生を見返すことは出来ない、自分のレッスンのために生活を切り詰めてくれている両親に申し訳ない、ここで進路変更してもろくな大学には行けない、そんなことを考えているうちに、悩んでいる暇があったら他の高校生と同じような力をつけるしかないんだと、くよくよしている自分に踏ん切りをつけることが出来ました。

心が折れても誰も助けてくれない。自分を助けてくれるのは、結局このどうしようもない自分だけ。心が折れるということは、自分を信じられなくなるということだったのです。

つくづくあの時の体験があるから、今の私があるのだと思います。なんとか大学に合格でき、念願の高校の音楽教師になり、やったことのない吹奏楽部の顧問となり、金賞もいただき全国大会にも出ることができました。

最初は出来なくても、毎日続けていれば必ず出来るようになる。心が折れそうになったらそう信じて、他の人が遊んでいる間に黙々とその差を詰めれば良いのです。自分にはできないと自分を見限った時点で、全てが終わってしまいます。

さて、本日の料理は… 🍳 まぐろ漬け山かけ丼 🍳 鮭ハラスのレモン塩麹漬け焼き 🍳 小松菜のそぼろ煮 🍳 大根と油揚げのみそ汁