2020年11月14日
こんにちは、Rayです。私はドイツで音楽の勉強をしている大学院生で、オーボエという楽器を専攻しています。
ドイツでは今月頭から一ヶ月間、ロックダウンしています。しかし幸い大学は閉鎖せず、学校の練習室での練習や教授との対面レッスン、アンサンブルの練習もできます。
また、私の住む街の感染者数はそこまで多くなく、恒例行事であるイルミネーションのお祭りも中止にならず開催されています。先週から街中の建物がライトアップされていて、いつもと違う空間になっています。
さて今回の記事では、海外に行くのに欠かせないビザ、それも学生ビザを初めて取得した1年前のことを書きます。イルミネーションの写真とともにお楽しみください。
もくじ
ビザの種類
海外に行く目的によってどのビザが必要になるのか、またその申請方法などが変わってきます。私がこれまでに取得したことがあるのは観光ビザと学生ビザです。そして2020年11月現在、新規に取得できないビザもあるのでお気を付けください。
1.観光ビザ
旅行や短期留学でドイツなどのシェンゲン協定加盟国を訪れる際に使うビザで、パスポートにその効力が付帯しています。日本のパスポートを持っていれば追加でする手続きはありません。
ただしこのビザには「過去180日の中で90日間滞在できる」という制限があります。半年の間に複数回渡航する場合は、注意して滞在日数を計算してください。このビザで入国するときには、復路の航空券の提示を求められる場合があります。またパスポートの有効期限は、シェンゲン協定国を出国予定の日から3カ月以上残っていないといけないようです。
2. 学生ビザ
ドイツの学生が申請するビザです。ドイツの外国人局で手続きするため、日本から出発する場合、まず観光ビザで入国してから90日以内にビザを申請します。(語学ビザなどから切り替える、などの別パターンもあります。)
3.ワーホリビザ
ワーキングホリデーという制度を使えば、最大1年間ドイツで暮らすことができます。年齢や取得できる回数などに制限はありますが、ほかの国の暮らしを体験できる良い制度だと思います。現地でも日本にあるドイツ大使館・総領事館でも申請することができます。
4.語学ビザ、大学準備ビザ
現地で語学を勉強しながら自分に合った先生、大学を探す、という方法でドイツ音楽留学を始める人が多いです。この二つのビザがほぼ同じものとみなされている街もあるようです。観光ビザで入国して現地の外国人局で切り替えます。
5.職探しビザ
つい先日知ったのですが、ドイツの大学院を卒業した人は最大2年間、ドイツに滞在して職を探すことができます。私は「学生ビザが切れる卒業のタイミングまでに、ドイツに留まるか日本に帰るか決めなければ!」と内心焦っていたのですが、卒業後も進路を決める猶予期間があると知ってほっとしています。
6.その他
研究者ビザ、就労ビザ、配偶者ビザなどがあります。
学生ビザを取得するために
ここからは、1年前にドイツで学生ビザを取得したときの私の体験談です。
観光ビザで入国
前述したように、日本国籍を持っている人はパスポート付帯の観光ビザでドイツに入国して、居住する街の外国人局で学生ビザに切り替えます。学生ビザのために日本ですることは特にありませんでした。
しかしコロナ禍の現在、観光ビザでの入国は制限されていますので、ドイツの大学に入学するために日本からドイツに飛び立つ人は、あらかじめ何か手続きをしたほうが良いようです。在日ドイツ大使館・領事館のHPなどでチェックできます。https://japan.diplo.de/ja-ja/aktuelles/-/2374818
このHPに書いてあるように、入国制限を実施していないEUの他の国に入国して陸路でドイツへ移動する、という方法は違法となるようで、住民登録などで困ることになると思います。
書類を揃える
ビザを申請するには多くの書類を揃えなくてはいけないため、入国してすぐにいろいろな契約をしました。
街によって多少違いますが、基本的には以下の書類が必要です。
(参照元:https://www.study-in-germany.de/de/aufenthalt-planen/erste-schritte/anmeldung-und-aufenthaltserlaubnis_56753.php)
- パスポート(空港で押してもらった入国スタンプも確認された記憶があります。)
- 住民登録書(市役所で住民登録をしたらもらえます。)
- ドイツの医療保険の加入証明書(30歳以下の大学生はプライベートではなく公的保険に加入できます。学生ビザが申請できる内容をカバーするプランに入るのが大切です。)
- ドイツの大学の入学許可証または在学証明書
- 経済力証明書(閉鎖口座や奨学金などで、生活していける金銭的な証明をしなければなりません。閉鎖口座、という厄介なものについても、いずれご紹介します。)
- 証明写真
念のため、以下の書類も持っていきました。
- ドイツの銀行を開設したときの証明書
- 旅行保険の証明書(ドイツの保険に入る前にも保険に入っていたことを証明するためで、この時は日本のクレジットカード付帯のものでした。)
- 入居確認書
- 賃貸契約書
- ドイツ語の語学試験の合格書?(いらないだろうなと思いながらも持って行きました。)
外国人局で申請→受け取り
申請した当時、私の住む街の外国人局は予約が要りませんでしたが、コロナ禍を受けて今は予約制となりました。街によっては何カ月も先まで予約が取れないようですので、外国人局の予約は早めにすることをおすすめします。
揃えた書類とビザ申請用紙を持って外国人局に行きます。申請用紙は外国人局HPでダウンロード、または外国人局でもらいます。
「ビザの手続きはいろいろと大変らしい」と事前に聞いていましたが、とても幸運なことに、私はそこまで苦労せずに済みました。
ある朝「そういえば書類も揃っているし、(天気もいいし)、行くなら今日だ!」と予約なしで突撃しても15分程で受付してもらえましたし、担当の若いお兄さんは丁寧で、時折英語でフォローすらしてくれる優しい方でした。当時の私の語学力は、ドイツ語は英検でいうと二級くらい(B1)、英語はユースオーケストラへの参加や講習会などで使っていたので日常会話はなんとかなる、というレベルでした。会話はそれでも少しもたつきましたが、英語とドイツ語の知っている表現をフル活用して、申請を終えました。
そのあとは事務処理が済むのを待ち、1カ月後くらいに「ビザが到着した」と連絡があってから受け取りに行きました。私はパスポートに貼り付けるタイプのビザを受け取りましたが、カードタイプが一般的です。9月末にドイツに入国してから保険などの手続き、10月中旬に外国人局で申請、11月中旬にビザ取得、というのが大まかな流れで、手数料は約80ユーロでした。
ビザ申請の時に出てくるドイツ語
ビザを申請する人向けに、今回の記事で出てきた用語のドイツ語を以下にまとめてみました。ご参考までに。
- ビザ/滞在許可証 die Aufenthaltserlaubnis
- 外国人局 die Ausländerbehörde
- パスポート der Reisepass
- 住民登録書 die Meldebestätigung / die Anmeldebestätigung
- 市役所の住民局 das Einwohnermeldeamt
- 医療保険の加入証明書 der Nachweis der Krankenversicherung
- 大学の入学許可書 der Zulassungsbescheid / die Immatrikulationsbescheinigung
- 大学の在籍証明書 die Studienbescheinigung
- 手数料 die Gebühr
- 経済力証明書 der Finanzierungsnachweis
- 閉鎖口座 das Sperrkonto
- 奨学金 das Stipendium
- 入居確認書 die Wohnungsgeberbestätigung
- 賃貸契約書 der Mietvertrag
- 証明写真 das Passbild
まとめ
今回の記事は、「2019年秋に学生ビザを新規取得した私のケース(比較的スムーズにいった)」として書きました。ここに至るまでには、ドイツ留学の経験のある先生、先輩、友人に大変お世話になりました。ネットの情報も役立ちました。
しかし同時期に違う街で留学を始めた友人からは、学生ビザが手に入るまで半年弱かかって苦労したという話を聞きましたし、ネット上には担当者に辛辣な対応をされた、追い返されたなど、そんな目にあったら涙が出てきそうな体験談も挙がっています。ドイツ各地の外国人局によって対応はまちまちだということがわかります。
実際にビザを申請することになった場合は、ドイツ語が分かる知り合いと一緒に行くと心強いと思います。書類を不備なく揃えたうえで丁寧に、意志をはっきり示して頑張ってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は11月28日(土)に更新します。テーマは【学生ビザを延長する】の予定です。
Ray