2026年6月14日

「棒読み」という言葉がありますが、これは演劇などの台詞を感情や抑揚を意識せずに台本の文字に従って発することを指します。
音楽畑のコンサートは、毎回青柳美保さんに朗読をお願いしていますが、最初の読み合わせは漢字の読み方の確認や文節の切れ目の確認など、文章の基本的な事項の確認だけなので、表情の抑揚や感情移入はまだ求めません。
次の段階では台詞の表情や感情についてはまだ触れず、この段落や文章は何を言わんとしているのかの表現の意図の解説を行います。私はこの作業をプロファイリングと言っているのですが、登場人物の断片的なデータや行動記録から登場人物の特徴・行動パターンを分析し、性質や行動を予測することで、台詞の背景を理解していただきます。
幸い青柳さんは大変勘の良い方なので、登場人物の行動パターンからその人物の特徴を見抜き、それ故にどういう感情でこの台詞を言っているのかまで予測して表現していただけるので、次の段階での読み稽古では間の開け方や表現の強弱、声質の対比などの微調整をするだけで済みます。最初はアナウンスの仕事をしている方と伺っていたので、朗読のような何人もの人物の声色を使い分けることは難しいかも知れないと心配しましたが、全くの杞憂に終わりました。
しかしこれは演奏においても全く同じで、最初は音の間違いや記号の確認などを行い、次の段階で表意記号に示されている強弱・速さ・表情・奏法などの意図を理解した上で、最後に演奏表現のニュアンスを伝えるための表現練習に入ります。
朗読も演奏も最初は棒読みから始まりますが、プロファイリングすることで登場人物の性質や行動を予測し、音楽表現に繋げています。それを理解した上での表現は全く別物に生まれ変わります。それなのに楽譜をただ音にしているだけという演奏が、プロアマを問わずかなり多いのが現実です。
さて、本日の料理は…
🍳 アボカドとサーモンのユッケ丼
🍳 アジの南蛮漬け
🍳 キャベツのじゃこ炒め
🍳 長ねぎと油揚げのお味噌汁
2026年6月12日

マーケティング用語に4Pという格言がありますが、これはPを頭文字に持った4つの戦略という意味で、製品戦略(Product: 何を売るか)、価格戦略(Price:いくらで売るか)、流通チャネル戦略(Place: どこでどう届けるか)、プロモーション戦略(Promotion: どう知らせて買ってもらうか)」を指します。
爆発的ヒット商品というものもごく稀にありますが、ほとんどの製品は売れないどころか見向きもされません。それにはヒットしない原因があるからです。
まず商品というのは、消費者が必要としてしているものであることが大前提です。自分が作りたい、売りたいではなく、こんなものがあれば良いな、これなら欲しいと思わせられる製品でなければ売れるはずがありません。
また価格というのも購買意欲には非常に重要で、この内容でこの価格なら欲しいと思わせる価格設定が大事です。某家具メーカーのキャッチコピーではありませんが、「🎵お値段以上〇〇〇!」でないとリピーターは増えません。
名の知れた商品ならまだしも、名も知らぬ商品は流通チャネルというのは非常に重要です。音楽家さんでSNSやメールでコンサートの告知に励んでいる人がいますが、有名な人ならまだしもそうでない人は手売りが基本です。もちろん自分で手売りすることも大事ですが、ファンの人にお願いして知り合いを声をかけてもらうことで流通チャネルがネズミ講式に拡大することが期待出来ます。
そして何より買ってもらうためには、知ってもらうことが大前提になります。しかし、知ってもらったとしてもそれを買ってもらうためには、その人にとってどれだけ有益な製品なのかをアピールしなければなりません。音楽家さんの場合、そのコンサートがその人にどう役に立つのかが示せないと、いくら知ってもらえても買ってもらうことには繋がりません。
この4Pを具現化するために、6月14日(日)に佐藤美香”注文の多い料理店”の本番に向けたお話会を10名限定で開催します。出演者紹介から始まり、企画内容紹介、作曲秘話、構成紹介、曲の聴きどころ紹介、朗読制作秘話紹介という内容です。
お客様がお客様を連れてくるのが、プロの音楽家です。本当に良いものなら口コミでその評判は自然と広がるものです。さてこのプロモーション戦略(Promotion: どう知らせて買ってもらうか)が、どういう結果をもたらすかに期待です。
さて、本日の料理は…
🍳 ローストビーフ丼
🍳 あじフライ
🍳 オクラとチーズの豚肉巻き
🍳 もつ鍋
2026年6月11日

音楽事務所の仕事は多岐に渡っているのと、毎月コンサートがあるので、TO DOリストを作ってひとつずつ片付けてはチェックボタンをクリックして、このコンサートはどこまで準備が進んだかを記録するようにしています。
事務所を開設した当時は何をすれば良いのかすら分からず、思いつくままに仕事をしていましたが、これを片付けておかないと先に進めなかったり、関係者の了解を得ずに進めてしまって後でやり直しになったり、とにかく今日は何をしたか、明日は何をするのかを考えながらの自転車操業でした。
しかし、やったことを逐一記録しておいたので、後からどの順番で何をすれば良いのかを整理してからは、その手順に従って進めればほぼ問題なくコンサートの準備が出来るようになりました。
これは複数の料理を同時進行に作ると同じで、味付けをして冷蔵庫で馴染ませている間に別の料理の下拵えをしておき、味が馴染んだら火を通している間にお湯を沸かしておいたりと、タイムロスがないように頭の中で毎日手順を考えてから料理を始める毎日のトレーニングの成せる技だと思います。
新婚の頃、おかずが出来上がってご飯をよそろうとしたらご飯が炊いてなかったなんてことがありましたが、今ではそれも懐かしい思い出です。
さて、本日の料理は…
🍳 ベトナム風あえ麺
🍳 ベトナム風チキン
🍳 鶏手羽元のベトナム風唐揚げ
🍳 ズッキーニのコンソメスープ
2026年6月9日

今日もシェフヒロサワの『音楽畑で豊かな時間』のコーナーです!
松任谷由実の卒業写真について、歌詞の中に出てくる「あの人」というのは憧れの男性なのだとずっと思っていました。しかし、歌詞の中の「あの人」というのは異性の恋人や同級生ではなく、ユーミンが高校時代に通った美術教室の女教師だったと知りました。
当時、高校生だったユーミンは東京芸大への進学を目指していて、高校が終わると、美術教室に通って受験に備える日々を過ごしており、その美術教室の先生は20代の女性で、名門大学を受験しようという彼女に対して、厳しく熱心な姿勢で指導していたそうです。
「リンゴを描くんだったら、リンゴの裏側まで想像して描きなさい!表面だけじゃなく、空気も描くのよ!」当時、その言葉の意味が理解できなかった彼女は「は~い」と軽い返事をするほど、彼女にとって好きな先生ではなかったそうです。
「荒井さんいい? 描けなかったら自分のスタイルが見つかるまで描きなさい。画家の自叙伝なんかも読むといいわね。」そんな先生の気持ちを少しずつ理解するようになった彼女は、色んな画家たちの自叙伝や評論なども読むようになったといいます。そんな日々の中で自信をつけた彼女は、いよいよ受験に臨みますが、結果は…不合格。
公衆電話から涙声で先生に結果を知らせましたが、その日先生は教室まで彼女を呼びだして、こんな言葉で励ましたそうです。「来年も受ければいいじゃない。一緒に頑張りましょう!」しかし、彼女の実家がそれを許しませんでした。結局、彼女は浪人受験を選択することなく、同時期に合格していた多摩美術大学へと進学することとなりました。そんなある日彼女は街で美術教室の先生を見かけましたが、彼女は先生に声をかけることなく、思わず隠れてしまったといいます。
せっかく美大へ進んだのに音楽にのめり込みはじめていた自分の後ろめたい気持ちでいっぱいだったからだそうです。そして大学1年生だった1972年の夏、村井邦彦(音楽プロデューサー/作曲家)の勧めで荒井由実としてアルファレコードからデビューを果たします。しかし、当時そのシングルは300枚しか売れなかったそうです。それでも彼女は曲を書き続けました。
この曲の2番の歌詞の中に出てくる“ゆれる柳の下”とは、当時彼女が頻繁に通っていたアルファスタジオへの道(田町海側)の風景なのだそうです。「表面だけじゃなく裏側まで想像して描きなさい!描けなかったら自分のスタイルが見つかるまで描きなさい。」
あの時の先生の言葉が彼女の創作活動の力となったと回想しています。それを知った上でこの曲をもう一度聴いてみてください。聴こえてくるもの、見えてくるものが全然違ってくると思います。
さて、本日の料理は…
🍳 ビビンバ
🍳 チャプチェ
🍳 韓国風マグロと長芋のネバネバおつまみ
🍳 ムール貝と豆腐のスープ
2026年6月8日

今日もシェフヒロサワの『音楽畑で豊かな時間』のコーナーです!
私は1月から3月までの第4四半期はコンサートの企画を練るためのデスクワーク期間としています。
そして年度が変わって第1四半期の4月から6月はコンサートの開催準備期間に当て、コンサートをお知らせするためのチラシ(フライヤー)を印刷やホームページへの掲載やメールでの連絡などの広報活動をしています。
その後、7月から12月までの第2、第3四半期は本番を迎え、毎年10回のコンサートを開催しています。
そのため先月から制作に取り組んでいただいたチラシ(フライヤー)やチケットのデザインが出来上がり、先日発注を終えました。今年は「宮沢賢治の注文の多い料理店」、篠原小雪の「フランスの風」、「リムスキー=コルサコフのシェヘラザードと菊池寛のアラビアンナイト」、「クリスマスキャロルとスティーブ・ジョブズの最期の言葉」を予定しております。
この様な朗読コンサートのスタイルに変えて3年目を迎えますが、年々リピーターが増えて昨年度は事業収益を初めて黒字化することができました。ランニングコストを含めた最終決算は赤字ですが、その赤字額も一昨年度の半分にまですることができました。
令和と同時に起業したもののコロナ禍に巻き込まれて開店休業状態になり、その後コロナは鎮静化したものの客足は戻らず、毎年100万近いの赤字を出し続けましたが、退職金と年金のおかげでここまで何とか続けることができました。これから倍返しじゃ!
さて、本日の料理は…
🍳 トマトスパゲティ
🍳 イタリアン餃子
🍳 イタリアンサラダ
🍳 コンソメミルクスープ
2026年6月1日
今日もシェフヒロサワの『音楽畑で豊かな時間』のコーナーです!
今年のコンサートの情報解禁する時期になりました。
①佐藤美香オーボエ朗読コンサート”注文の多い料理店“
期日:2026年8月2日(日)14時開演
会場:前橋文学館ホール
②篠原小雪ピアノリサイタル2026″フランスの風”
期日:2026年9月21日(月:祝)14時開演
会場:前橋文学館ホール
③フリューディヲン朗読コンサート”リムスキーコルサコフのシェヘラザードと菊池寛のアラビアンナイト“
期日:2026年10月4日(日)14時開演
会場:境町総合文化センター小ホール
④あぽろんずクリスマスコンサート2026“クリスマスキャロルとスティーブ・ジョブズの最期の言葉”
期日:2026年12月26日(土)14時開演
会場:桐生市有鄰館煉瓦蔵
※上記コンサートのうち、①と②と③のオンラインチケットは本日よりご購入いただけます。
https://ongakubatake.theshop.jp/
これらコンサートの情報を解禁し、チケットの販売を開始することを「リリース」するといいますが、これは釣りのリリースと同じで、それまで束縛されたものを解放・放出したりすることを意味します。つまりこれまで試行錯誤を繰り返して企画を立て、詳細を詰め、ようやくカタチになったものを皆さんの元にお届けすることになります。
一方、歳を取るということは、色々なことを手放すことだと言う人がいます。私自身、仕事、地位、給与、蓄え、人との繋がりなど、定年退職を機にすでにたくさんのものを手放して来ました。しかしそれらはすでに他の人の手に渡っていて私には思い出しか残っていません。
でも音楽事務所を通じて「リリース」することで、たくさんの人が笑顔になることを知りました。手放すことは寂しいことではなく、みんなをワクワクドキドキさせて幸せにすることなのです。これからもたくさんのものをリリースすると思いますが、それらを受け取った人がみな笑顔になることを願っています。
さて、本日の料理は…
🍳 しらすのペペロンチーノ
🍳 あさりと鯛の白ワイン蒸し
🍳 アボカドと納豆のイタリアンサラダ
🍳 ほうれん草としめじのコンソメスープ

