2024,12,20
第12回 ヨーロッパ各国への旅
今回は、私のヨーロッパ各国へ行った時の様子についてです。夏はポーランドのシュチェチンへ、秋はドイツのシュトゥットガルトへ、それぞれセミナーとレッスンと目的は別だったので旅行ではなかったのですが、どんな雰囲気の違いがあったか、これをレポートにしようと思います。
—都市①
まずは、ポーランドのシュチェチンについてです。8月上旬に行きましたが、夏の蒸し暑さや照りつく太陽光とは無縁で、基本的に外気温は18〜24度ぐらいで、気候に恵まれた都市でした。街並みはこれでもかと整備されていて、ヨーロッパらしさは建物から感じましたが、どこか新しく別世界のような雰囲気もありました。調べたところ、第二次世界大戦の攻撃を受けてから復興されたそうです。人々の暮らしも豊かで、走る車も自転車も、全てが良い状態ばかりでした。ハンガリーは良くも悪くも、色々なものが一緒くたになって存在しているので、やたらと見た目の良さにばかり目がいってしまいます。特に驚いたのが人種です。この話題は、最近何かとタブー視されやすい問題ですが、私自身が留学生として異国に住んでいることもあって、意識して見ることが多くなりました。ほとんどの人がポーランド人で、わずかの確率で、黒人やラテン系の人やアジア人を見るぐらいでした。言語はポーランド語のみで、時々、英語が若い世代の人でやっと通じる程度で、まだヨーロッパでもこういう世界が広がっていることに驚きを感じます。
この時、私は数名の日本人の方達とセミナーに参加していた為、初日は散策がてら観光に行きました。始めに向かったのは、シュチェチンの街の象徴でもあるポメラニアン公爵の城です。
【シュチェチン市内にあるポメラニアン公爵の城内】
こちらの城内には、統治時代に納められていた骨董品などが揃った展示室や、シュチェチンの街全体を見渡せる展望台があり、規模は小さめですが歴史を感じられました。実際に、展望台にも登りました。ひたすら螺旋階段が続いていて、脚がすくむ程の高さもあってヒヤヒヤしましたが、頂上へ到達すると街を一望できる360度のパノラマ体験を堪能してきました。真夏の8月からは想像も出来ないほど涼しく、少し肌寒いぐらいでした。
【展望台の頂上からの様子】
—都市②
次に、ドイツのシュトゥットガルトについてです。10月下旬にたった1日での往復でしたが、訪れた時期がちょうど秋真っ只中で、綺麗な景色もあって風格ある気品溢れた都市でした。空港から直結の駅があり、目的地までなんの不自由もなく行き来できたのは、ハンガリーのバス文化からするとより利便性を感じました。
【シュトゥットガルト空港から直結の駅構内】
この時、私はレッスンを受けに向かった為、街の中心地など主要な場所は行かなかったですが、大学や研究機関の建物が駅から少し歩いた広場を中心に広がっている光景は、まさにドイツらしいなと感じました。
【駅から音楽院までの道中、広場には大きな噴水もありました】
多くの留学生が留学先に選ぶ都市の一つでもあるので、私が師事している先生の音楽院でも、さまざまな国籍の人を見かけました。駅から音楽院へ向かう道中、大きな広場があって、多くの家族や学生が遊んだり本を読んだりと、自由気ままに過ごしているのがヨーロッパらしいなと感じました。もう少し時間に余裕を持てていたなら、ぐるっと街を観光出来たと思いますが、この時はすでに帰りの便を取っていたので断念するしかありませんでした。
飛行機のアクセス状況ですが、ハンガリーの航空会社のWizz航空は色々な国への直行便があるので比較的便利です。ただ、そこまで多くの本数がある訳では無いことと、24時間前までのオンラインチェックインを済ませないと40ユーロの罰金があること、この二つに注意が必要です。実際、私は行きの便をウィズ航空を利用しましたが、帰りはチューリッヒ航空でした。その帰りの席で、隣に座ったドイツ人の方がひたすら話しかけてきた為、乗り換え前の一便目の約40分のフライトは雑談で終わりました。ただ面白い発見もあり、各国の宗教価値観と言語能力は非常に重視されているのを改めて意識させられました。国境を巡っての争いが絶えなかった歴史的背景と、その背景から自国を保つために独自の言語が必要だったこと、さらに、貿易などの国際化が進んだことで英語習得は当たり前であること、これらをドイツ人の方は熱く語っていました。そんな深い話も交えた会話の最後に、いつか日本にも訪れて全くの異文化を体験することが夢なんだ、とも話していました。
さて次回は、冬のブダペストの様子をお伝えしようと思います。この時期は、クリスマスとニューイヤーが控えていることもあり、街中が照明でライトアップされ、クリスマスマーケットも開催されて、これでもかと待ち遠しい様子が漂っています。そんな街の状況をレポートしたいと思います。